第78章

久世湊は怒りのあまり、酒井初音を一言一言、徹底的にこき下ろした。

酒井初音は、久世美月を守ろうとしてほとんど理性を失いかけている彼の姿を横目に、淡々と冷笑する。

「久世湊。あんたって、本当に昔から救いようがないくらいバカね」

胸の奥に怒りが詰まって久世湊は言葉に詰まり、酒井初音を睨みつけた。

「酒井初音、ここは法廷だ!」

「田舎者みたいに下品に喚き散らすその口、慎め」

四年が過ぎた。外で十数年も流れ者みたいに生きてきた酒井初音は、結局のところ“お嬢様”の品など取り戻せなかった。

気だるげで、軽薄で、毒がある。見ていて虫酸が走る。

久世湊は『夜桜眠らず』の原稿を取り出した。

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